シンバルとドラムセットの関係

 ドラムセットを手に入れるためいろいろ試奏をしていた時、ZildjianのKeropeシリーズのセットとSABIANのArtisanシリーズのセットを持ち込んで試させてもらっていた。その時感じたのが、シンバルが変わればドラムセットの印象もまるで変わるということ。おそらくシンバルに引っ張られてだと思うが、Keropeと合わせたときは自然とメロディアスなトーンになり、Artisanと合わせたときは自然とリズミックなトーンになった。
 逆に、様々なリハスタのドラムセットと合わせて自分のシンバルセットを演奏することも多い。これもまた、デッドなドラムと合わせたときはアタックが強調されて聞こえるし、のびやかなドラムと合わせると倍音が引き出されて聞こえる。
 これはつまり、シンバルとドラムセットは互いに音色を補完しあって、ドラム全体のサウンドを作り上げていると言える。倍音の豊富さや音色ののびやかさ、アタック感やパーカッシブさをそれぞれシンバルとドラムセットのどちらで出すのか、両方で出すのかを意識しながら楽器を選ぶことが、意図を持ったサウンドメイクの助けになる。
 これを痛感したのは自分のドラムセットを持ってからだった。同じドラムセットに対して、いろいろなチューニングやヘッド、部屋を試し、その上で様々なシンバルをあわせて演奏することで、ドラムセットとシンバルの関係性の考慮が進み、ドラム全体のサウンドの推進力のようなものが増したと感じている。
 そして、伸びるトーンと止まるトーンそれぞれのシンバルセットを持っていると、ドラムセットもそれぞれのトーンが欲しくなる。今持っているGretschのBroadkasterは倍音を多く含むふくよかなトーンなので、整理されたまとまりのあるトーンの楽器も持っておきたい。その傾向があるイメージのメーカーは、個人的にはYAMAHAやPearl、Canopusあたり。今のドラムセットをある程度理解出来たら、そのうち手に入れたいところ。

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